湯河原駅を出てすぐ出会える桜と建築の玄関口、手湯もあり

改札を抜けた瞬間、杉のルーバー越しに柔らかい光が差し込んで、旅の気分が一気に上がります。湯河原駅は2017年に駅前広場が生まれ変わり、隈研吾さんが手がけた木造の大屋根が出迎えてくれる駅です。神奈川県の最南端に位置し、東海道本線でここまで来ると、もう空気が違うと感じる人も多いはず。駅前にはこの町でいちばん早く咲くという「百年桜」もあり、初めて観桜に訪れる方なら、電車を降りた瞬間からわくわくが止まらないと思います。今回は、そんな湯河原駅の見どころを、実際に降り立った順番でご案内します。

ホームに降り立つと

湯河原駅は島式ホーム1面2線というシンプルな構造で、1つのホームから上り・下りどちらの電車にも乗ることができます。JR東日本・東海道本線の駅で、駅番号はJT20。神奈川県内で最も南に位置する駅でもあり、特急「踊り子」も一部の便が停車します。ホームに降りると、周囲を囲む緑と、山あいらしい静かな空気にまず気づかされます。

湯河原駅のホームに停車する東海道本線の電車

湯河原駅のクッション

湯河原駅 クッション
湯河原駅のホームの椅子には「ゆがわら」の文字と、赤い花を咲かせたつばきが描かれたクッションが置かれている。寒い冬でも、冷たいベンチに直接座らずに済むようにという心遣いだろう。

隈研吾建築の駅前広場が出迎える

改札を出ると、まず切符販売機の並ぶコンコースが目に入ります。季節によっては大きな垂れ幕が掛けられていて、駅全体が今の時期のムードを教えてくれます。

湯河原駅 改札口の切符販売機

そのまま改札の外に進むと、杉材のルーバーを組んだ木造の大屋根が目の前に広がります。設計を手がけたのは建築家の隈研吾氏。2017年10月に完成したこの駅前広場は「駅とは鉄道と街をつなぐ、縁側のような中間領域」という考え方でデザインされていて、完全に囲われていない半屋外の空間が、電車を降りた瞬間から湯河原の温泉地らしいやわらかい雰囲気を伝えてくれます。

湯河原駅 隈研吾建築の木造大屋根

手湯でひとやすみ

湯河原駅 大屋根の木組みを見上げた様子湯河原温泉らしいおもてなしが、大屋根の下にあるこの手湯です。電車を降りたばかりで少し冷えた手を、まずはここで温めてから観光に出かけるのもおすすめです。杉のルーバーの下、温泉の湯気がふわりと立ちのぼる空間は、駅そのものが温泉地への入り口になっているような感覚を味わえます。

湯河原町いちの早咲き「百年桜」に出会う

駅前の広場に立つ一本のソメイヨシノが「百年桜」です。品種自体は各地で見られるソメイヨシノですが、この木は日当たりの良い場所に植わっていることもあり、湯河原町内でもっとも早く開花することで知られています。まだ葉も出ていない枝先に、ちらほらと花をつけ始めたばかりの姿を見られるのも早咲きならではです。もとは横浜市港北区の大倉山付近から移植されたと伝わる、由緒ある一本桜です。隈研吾さんが設計したモダンな木造の大屋根のすぐ前に佇んでいて、洗練された建築の木の質感と、淡いピンク色の花が美しく調和する光景は、今の湯河原駅前ならではの眺めだと思います。

湯河原駅前 咲き始めの百年桜と駅舎

土肥実平公 並 夫人像

駅前広場の一角には、丸いドーム状の台座の上に、甲冑姿で剣を掲げるように立つ武将の銅像があります。これは平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した、この地ゆかりの武将・土肥実平公と、その傍らに寄り添う夫人の姿を象ったものです。源頼朝が伊豆で挙兵した際、実平は一族とともに頼朝を助け、その軍を土肥へと導いたと伝えられています。青空を背にそびえるこの像は、湯河原に残る歴史散歩の出発点ともいえる存在です。

湯河原駅前 土肥実平公並夫人像

 

駅前で立ち寄れるスポット

喫茶店「ウエスト」

改札を出て右側には、喫茶店「ウエスト」があります。電車の待ち時間や、観光前後にひと息つきたいときに便利な場所です。

湯河原駅前の喫茶店ウエスト

横浜銀行・小田原百貨店、そして「味の大西」

湯河原駅を出て右手に進むと、横浜銀行や小田原百貨店が見えてきます。そこから100mほど先には、歴史ある「味の大西」もあり、駅からすぐの場所にも地元らしい店が点在しています。

湯河原駅前 横浜銀行・小田原百貨店方面

よくある質問

湯河原駅にはどの路線が乗り入れていますか?

JR東日本・東海道本線の駅です(駅番号JT20)。特急「踊り子」も一部の便が停車します。

上野東京ラインから湯河原へ行くには?

上野東京ラインは東海道線と直通運転しているため、上野・東京・新橋方面から乗り換えなしで湯河原まで来られる電車があります。時間帯によって行き先や本数が異なるので、事前に乗換案内アプリで確認しておくと安心です。

湯河原駅の駅舎・駅前広場を設計した建築家は誰ですか?

建築家の隈研吾氏です。2017年に完成した駅前広場は、杉材のルーバーを用いた半屋外的なつくりで、手湯から立ちのぼる湯気が駅舎全体をやわらかく包み込む設計になっています。

湯河原駅の駅構内には何がありますか?

Suica対応の自動改札機、指定席券売機、みどりの窓口があります。改札を出るとすぐに木造の大屋根と手湯があり、駅前には百年桜と土肥実平公並夫人像も見られます。

アクセス・時刻表

路線JR東日本 東海道本線(駅番号JT20)
住所神奈川県足柄下郡湯河原町宮下
ホーム島式ホーム1面2線
時刻表JR東日本 公式時刻表ページ
アクセス詳細湯河原温泉公式観光サイト アクセスページ

まとめ

ホームに降り立った瞬間から、隈研吾建築の大屋根、町いちの早咲き桜、そして土肥実平公ゆかりの史跡と、湯河原駅は見どころが詰まっています。観桜シーズンに訪れるなら、電車を降りたらまずこの駅前だけでも十分に楽しめるはずです。ここから、温泉街や神社仏閣めぐりへ足を延ばしてみてください。

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