
湯河原駅から「奥湯河原」行きのバスに乗り、「桜山入口」で下車。そこから湯元通りと藤木川沿いを、落合橋のある万葉公園まで、のんびり下りながら歩いてきました。石畳の道をゆっくり下っていく、優雅な散策旅です。

夢十夜
歩き始めてすぐ、目に留まったのがこの建物。夏目漱石の作品などをコンセプトにした、本と文学が楽しめる宿だそうです。読書を楽しめるライブラリーを備えた、落ち着いた雰囲気の佇まいでした。


湯元通りに残る、昭和の面影
昔のスナック
白くペイントされたパネルドアに、レンガ調の装飾。窓辺のシダやアロエの鉢植えが、ナチュラルな雰囲気を添えています。かつてはスナックだったこの建物、今は冷凍グルメの24時間無人販売店になっているようでした。時代とともに使われ方が変わっても、外観の趣はそのまま残っているのが面白いところです。

伊豆屋旅館
唐破風の車寄せを構えた、歴史を感じさせる玄関。江戸時代創業と伝えられる老舗旅館伊豆屋旅館で、自家源泉かけ流しの温泉が自慢だそうです。松材をふんだんに使った重厚な佇まいに、思わず足を止めてしまいました。


軒先を見上げると、凝った作りの彫刻が施されていました。

クランクになった道が素敵
道が緩やかにクランク状に曲がるこの一角も、湯元通りらしい風景のひとつ。まっすぐではない道だからこそ、歩くたびに新しい景色が現れる楽しさがあります。

中華 真真好
石畳の路地沿いにある中華料理店。黒酢酢豚や麻婆豆腐、麺類が評判のお店だそうです。営業時間は10:30〜15:00(金・土・日は17:00〜20:00も営業)、定休日は火曜日とのことでした。散策の途中、小腹が空いたときの候補に良さそうです。



食事処 かとう
こちらも湯元通り沿いに佇む食事処。派手さはありませんが、地元に根づいた温泉場らしい店構えが印象的でした。



湯元通り・藤木橋
「湯河原温泉 湯元通り」と刻まれた石柱が、ここが温泉場の中心であることを教えてくれます。湯河原の地名は、河床から温泉が自然湧出していたことに由来すると言われていて、この一帯こそがまさにその発祥の地にあたります。

古い欄干とカーブした道、そして川の流れがとても絵になる眺めでした。訪れた人の口コミを見ても、味のある建物と緩やかなカーブが温泉街らしい風情を出している、脇を流れる川もそれらしい表情を見せてくれる、といった声が多くありました。すぐ横には法面のコンクリート補強も見えて、山あいの温泉地ならではの土地柄も感じさせます。



口コミの中には、飲食店やカフェが軒並み休みの日に訪れたという声もありましたが、それでも「これはこれで良い」と感じられるくらい、静かな時間そのものに価値がある場所だと思います。
藤木川にかかる赤い橋
新緑と赤い橋のコントラストが美しい一枚。木々に囲まれた小さな橋が、川のせせらぎに彩りを添えていました。



富士屋旅館 瓢六亭
大正12年建築の楼閣風建築を今に伝える「旧館」を持つ老舗旅館です。敷地内のお食事処「瓢六亭」は、六つの瓢箪(むひょう)で「無病息災」を意味する屋号で、地焼きの国産鰻や地の魚を味わえます。看板建築とうなぎ屋の暖簾を見るだけでも、温泉街らしい情緒を感じました。2021年10月に瓢六亭で鰻重をいただいたときの様子は、瓢六亭の実食レポートで紹介しています。



ゆ宿 藤田屋
創業から125年以上という歴史を重ねる老舗旅館です。国の登録有形文化財にも指定されていて、自家源泉かけ流しの温泉と、相模の旬の味覚を部屋食でゆっくり楽しめるのが魅力なのだそうです。緑に包まれた敷地の奥に、静かに佇む姿が印象的でした。




木造りと石組みを贅沢に配した趣のある円形の大浴槽
伊藤屋
門柱の脇に「伊藤屋」の看板と石碑が立ち、緑豊かな自然に囲まれた落ち着いた佇まいの旅館です。詩人・島崎藤村が滞在し、作品の構想を練った宿としても知られているそうで、文人墨客に愛された湯河原らしい歴史を今に伝えています。


よくある質問
藤木川はどのあたりを流れていますか?千歳川とは違いますか?
藤木川は湯元通り・万葉公園周辺を流れる川で、千歳川の上流にあたります。同じ水系で、奥湯河原方面から流れてきた藤木川が温泉場の中心部で千歳川と合流し、やがて相模湾へ注ぎます。
湯元通りへのアクセスは?
JR湯河原駅からバスに乗り、「温泉場中央」バス停で下車するとすぐです。今回のように「桜山入口」から歩いて下ってくるルートもおすすめです。
湯元通りにはどんな見どころがありますか?
石畳の路地に温泉やぐらや、登録有形文化財に指定された老舗旅館が並びます。かつて画家の竹内栖鳳が散歩を楽しんだ通りとしても知られており、竹あかりなどのイベントが行われることもあるようです。
まとめ
湯河原駅から少しバスに乗るだけで、こんなに情緒あふれる温泉場の風景に出会えるとは思っていませんでした。石畳を下りながら、老舗旅館や温泉やぐら、藤木川のせせらぎを眺める散策は、湯河原温泉の歴史そのものを歩いているような時間でした。
今回の散策の出発点。湯河原駅からバスで桜山入口へ向かいました。
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