
暑い夏、自然の涼しさと神秘的な冒険を同時に楽しみたい――そんな時におすすめなのが、富士山麓に位置する溶岩洞窟「富岳風穴(ふがくふうけつ)」と「鳴沢氷穴(なるさわひょうけつ)」です。ここは、自然が生み出した冷気が一年中漂い、夏の暑さを忘れさせてくれる特別なスポット。富士山の噴火によって作られた溶岩の造形美や、氷が溶けずに残る驚異的な景観を目の当たりにしながら、まるで探検家になったような体験を楽しむことができます。
富岳風穴と鳴沢氷穴とは?
富士山の溶岩洞窟の成り立ち

富岳風穴と鳴沢氷穴は、富士山の火山活動によって生まれた溶岩洞窟です。約1150年前の富士山の噴火(貞観大噴火)で流れ出した溶岩が冷え固まる過程で、地下に空洞が形成され、これらの洞窟が誕生しました。富岳風穴は横穴式、鳴沢氷穴は縦穴式と異なる構造を持ち、それぞれ異なる自然の景観を楽しむことができます。
訪れるべき理由とは?

富岳風穴と鳴沢氷穴は、富士山の自然の神秘を直に感じられる貴重なスポットです。洞窟内は一年中0〜3度という低温が保たれ、夏の暑さを忘れさせる心地よい涼しさが最大の魅力。富岳風穴では、溶岩の流れが作り出した「溶岩棚」など他では見ることのできない地質学的な美しさが広がり、鳴沢氷穴では探検気分を味わえる縦穴を降り、目の前に広がる氷柱を楽しむことができます。
料金・営業時間・アクセス
入洞料金
| 区分 | 大人 | 小人(小学生以下) |
|---|---|---|
| 富岳風穴・鳴沢氷穴(各単独) | 350円 | 200円 |
| 共通観覧券(2施設セット) | 600円 | 200円 |
両方をまわるなら共通観覧券がお得です。最初に訪れる施設で購入すると、2施設目の会計がスムーズになります(共通観覧券の情報は複数の観光サイトで確認できましたが、公式サイトの該当ページでは確認できなかったため、当日の窓口でも念のためご確認ください)。未就学児は無料、15名以上の団体割引もあります。
営業時間
| 期間 | 営業時間 |
|---|---|
| 4月1日〜10月15日 | 9:00〜17:00 |
| 10月16日〜11月15日 | 9:00〜16:30 |
| 11月16日〜3月15日 | 9:00〜16:00 |
| 3月16日〜3月31日 | 9:00〜16:30 |
天候・洞内状況により変更になる場合があるため、訪問前に公式サイトで最新の営業時間をご確認ください。
アクセス
富岳風穴は、山梨県南都留郡富士河口湖町の青木ヶ原樹海の中にあります。アクセスは車が最も便利で、中央自動車道を利用し、河口湖インターチェンジから約20分程度で到着します。駐車場も完備されており、観光シーズンでも比較的スムーズに駐車できます。
公共交通機関を利用する場合は、河口湖駅からバスでのアクセスが可能です。富士急行バスが運行しており、「風穴」バス停で降りると、そこから徒歩数分で富岳風穴の入り口に到着します。バスの本数は観光シーズンに応じて増減することがあるので、事前に時刻表を確認しておくと良いでしょう。
| 富岳風穴 | 〒401-0332 山梨県南都留郡富士河口湖町西湖青木ヶ原2068-1/TEL 0555-85-2300 |
| 鳴沢氷穴 | 〒401-0320 山梨県南都留郡鳴沢村8533/TEL 0555-85-2301 |
富岳風穴から鳴沢氷穴へのアクセス時間は以下の通りです。
- 車でのアクセス:約2分(距離は約1.6km)
- 徒歩でのアクセス:東海自然歩道を通って約20〜30分
車を利用すると非常に短時間で到着できますが、徒歩でも気軽にアクセスできる距離です。洞窟間の道中も富士山麓の自然を楽しむことができます。
富岳風穴の魅力と体験レポート

洞内の見どころ – 溶岩の造形美と冷気
富岳風穴は総延長201m、高さ8.7mの横穴式洞窟で、内部は玄武岩質の壁が音を吸収するため不思議と反響しません。見どころとなるのは「溶岩棚」と呼ばれる溶岩が作り出す平坦な層で、天井や壁に広がり圧倒的な景観を作り出しています。見学の所要時間は約15分で、平坦な道が続くため歩きやすいのが特徴です。
歴史的な背景 – 天然冷蔵庫としての役割

富岳風穴は、その冷涼な環境から、かつて天然の冷蔵庫として利用されていました。年間を通じて0〜3度に保たれる洞内は、明治時代から昭和初期にかけて「蚕卵貯蔵庫」として活用され、蚕の卵を低温で保存する重要な施設でした。

養蚕業が盛んだった時代、温度管理が難しい夏場にこの冷気が重宝され、安定した蚕の飼育に貢献していました。訪れる際は、自然の美しさだけでなく、こうした歴史にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
鳴沢氷穴と江の島は繋がっている?・江の島伝説

鳴沢氷穴の最深部には、水が吸い込まれていく縦穴があり、地元では古くから「地獄穴」と呼ばれています。この地獄穴が、約70km離れた相模湾の江の島まで続いているという伝説が、江戸時代から語り継がれてきました。面白いのは、この伝説が富士山側だけの言い伝えではないという点です。
江の島の江島神社や江の島岩屋の側でも「富士山の麓の洞窟につながっている」と語られていて、遠く離れた富士山と相模湾の地下が、神秘的な空洞で結ばれているというロマンあふれる民間伝承として、両方の土地で大切にされてきました。科学的な根拠はありませんが、実際に江の島の岩屋を歩くと、この伝説の続きを辿っているような気分になります。

実際に歩いた江の島シーキャンドルと御岩屋道通り。山頂を目指すさんぽの様子を写真とともに紹介します。
続きを読む ›実際に訪れた体験談
富岳風穴を訪れた瞬間、洞窟の入口から吹き出す冷気に驚かされます。外の暑さが嘘のように、一歩足を踏み入れるとひんやりとした空気が全身を包みます。洞内は照明で照らされ、溶岩棚や溶岩の鐘乳石など、自然が作り出した造形美が広がっており、神秘的な雰囲気を醸し出しています。かつて蚕卵を保存する場所として使われていた歴史に触れると、ただの観光ではなく、歴史を感じる特別な体験となりました。
鳴沢氷穴の魅力と体験レポート

洞内の特徴 – 氷柱と縦穴の神秘的な世界
鳴沢氷穴は総延長153mの竪穴環状型の溶岩洞窟で、急な階段を降りて進むと、洞内には一年中溶けない氷柱が広がる神秘的な世界が広がります。見学の所要時間は約6〜7分とコンパクトですが、洞窟内は狭く天井も低いため、探検気分を味わいながら進むことができ、スリル満点です。環状になっているため、内部を一周して見学できます。
一年中氷が溶けない理由

鳴沢氷穴では、氷が一年中溶けない不思議な現象が見られます。鳴沢氷穴は縦穴式で冷気が外に逃げにくい形になっているため、洞内の気温は年間を通じて氷点下近くに保たれています。天井からしみ出した水滴が凍ってできる氷柱は4月ごろに最も成長し、年によっては直径50cm・高さ3mという巨大なものが見られます。
訪れた際の体験と感想
鳴沢氷穴を訪れた瞬間、外の暑さからは想像もできないほどの冷気に包まれます。縦穴を降りていくと、足元から伝わる冷たさが次第に増し、洞窟内の氷点下近い気温を肌で感じました。特に印象的だったのは、自然に形成された氷柱の美しさで、洞内の照明に照らされて神秘的な光景を作り出していました。狭い通路や急な階段を進むスリルもあり、まるで探検家になったかのような気分です。
富岳風穴と鳴沢氷穴、どちらがおすすめ?
冷気と自然が作り出す二つの魅力

富岳風穴と鳴沢氷穴は、どちらも富士山の溶岩流によって形成された洞窟であり、年間を通じて冷気を感じることができる点が共通しています。富岳風穴は平坦で歩きやすく、溶岩が作り出した造形美が見どころです。一方、鳴沢氷穴は縦穴式で、急な階段を降りて探検するような冒険気分が味わえるほか、氷柱の美しさが際立ちます。
それぞれの探検体験の違い
富岳風穴と鳴沢氷穴は、同じ富士山麓の溶岩洞窟ですが、探検体験には大きな違いがあります。富岳風穴は平坦な道が続き比較的広々としているため、お子様やご年配の方でも歩きやすいのが特徴です。一方、鳴沢氷穴は縦穴式で急な階段を下りて進むため、探検気分を存分に味わうことができます。冒険感を優先するなら鳴沢氷穴、安全に散策したいなら富岳風穴がおすすめです。時間と体力に余裕があれば、平坦な富岳風穴で足慣らしをしてから鳴沢氷穴へ向かう順番が、体力配分の面で無理なく楽しめます。
訪問時の準備とアドバイス
服装や持ち物の注意点
富岳風穴と鳴沢氷穴を訪れる際は、洞内の冷気に備えて防寒対策が必要です。どちらも一年中気温が0〜3度ほどに保たれているため、夏でも薄手のジャケットやウインドブレーカーなど、軽い防寒具を持参しましょう。特に鳴沢氷穴は縦穴を下りていくため、体感温度がさらに低く感じられることがあります。靴は滑りにくい運動靴やトレッキングシューズが最適です。
洞内での安全対策

富岳風穴と鳴沢氷穴を安全に楽しむためには、いくつかの注意点があります。洞内は気温が低く足元が湿っているため滑りやすい箇所が多く、滑りにくい靴を履くことが重要です。鳴沢氷穴は最も低い場所で天井高が91cmほどしかなく、頭上に注意しながら進む必要があります。心配な方には無料でヘルメットの貸し出しもあります。また、乳幼児を抱っこ・おんぶした状態での入洞や、妊婦の方の入洞は安全のためお断りされています。洞内での飲食も禁止されているため、ソフトクリームなどは入場口手前で食べ終えてから入りましょう。
撮影時の注意
富岳風穴や鳴沢氷穴での撮影には、いくつかの注意が必要です。
- 洞窟内は狭く、カメラを岩や壁にぶつけないように注意しましょう。
- 足元が不安定な場所が多いので、荷物をまとめて持ち、手を空けてバランスを取りやすくしておきましょう。
- 夏場は洞窟と外の温度差が大きく、レンズが曇る可能性があります。洞窟から出る際は、カメラをタオルで覆うか、バッグにしまって温度差を徐々に解消するようにしましょう。

レンズが曇ってしまった写真。5分ぐらい曇りが取れませんでした。
各洞窟にあるお土産屋さん

富岳風穴と鳴沢氷穴の近くには、それぞれお土産屋さんがあり、訪問の記念にぴったりなアイテムを購入することができます。富岳風穴の売店「森の駅 風穴」では、富士山をテーマにした商品や地元特産品のジャムやお菓子のほか、防寒具やハイキンググッズも販売されています。鳴沢氷穴のお土産屋さんでは、氷穴にちなんだ涼しげなデザインのグッズが見つかります。

よくある質問
Q. 富岳風穴と鳴沢氷穴、どちらがおすすめ?
A. 冒険感や幻想的な氷の景色を楽しみたいなら鳴沢氷穴、小さなお子様やご高齢の方と安全に散策したいなら富岳風穴がおすすめです。時間と体力に余裕があれば、両方巡るのが最も満足度が高くなります。
Q. 所要時間はどのくらいですか?
A. 洞内見学は富岳風穴が約15分、鳴沢氷穴が約6〜7分です。両施設をセットで巡り、移動や売店・トイレ休憩を含めると、全体で約1.5時間を見込んでおくと安心です。
Q. 2つの洞窟の違いは何ですか?
A. 富岳風穴は横穴式で平坦、鳴沢氷穴は竪穴式で階段が多いのが最大の違いです。富岳風穴は溶岩棚などの造形美、鳴沢氷穴は一年中溶けない氷柱が見どころです。
Q. 徒歩で行き来できますか?
A. はい。青木ヶ原樹海の東海自然歩道を通って、徒歩約20〜30分で移動できます。溶岩地形や階段があるため、歩きやすい靴で臨んでください。
Q. 鳴沢氷穴は危険ですか?
A. 足元が滑りやすく、天井が最も低い場所で91cmしかないため注意が必要です。滑りにくい靴と防寒着を用意し、慎重に歩けば安全に楽しめますが、乳幼児の抱っこ・おんぶでの入洞と妊婦の方の入洞はお断りされています。心配な方は無料のヘルメットを利用しましょう。
まとめ – 富岳風穴と鳴沢氷穴
富岳風穴と鳴沢氷穴は、富士山の自然が生み出した涼を感じられる貴重なスポットです。どちらの洞窟も一年中低温が保たれており、特に夏にはその冷気が訪れる人々を魅了します。富岳風穴は溶岩の造形美を堪能でき、広くて歩きやすいのが特徴。一方、鳴沢氷穴は縦穴式で氷柱や狭い通路が作り出すスリル満点の探検が楽しめます。訪問前の準備をしっかり整え、富士山の地下世界を存分に楽しんでください。地獄穴の伝説をたどって、いつか江の島側の岩屋まで歩いてみるのも面白いかもしれません。
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