
江ノ電の腰越駅は、電車が道路の真ん中を走る、なんとも不思議な光景に出会える駅です。海も山もすぐそこにあり、古民家の残る町並みや、由緒ある神社仏閣も点在していて、駅を降りてから歩き回るだけで一日楽しめてしまう場所だと感じました。
腰越駅


ホーム手前のS字カーブがなんとも絵になる一枚。カーブを描きながら滑り込んでくる江ノ電を、ホームの端で待ち構えて撮りました。

ゆったりと道路を渡っていく江ノ電。踏切の警報音と、生活道路を行き交う人の流れが同居する、腰越らしい一コマです。
腰越駅には、江ノ電ファンの間で知られる「ドアカット」という珍しい運用があります。ホームの長さが3両分しかないため、4両編成の電車が停車すると、鎌倉寄りの1両はホームからはみ出して踏切の上に止まることに。そのため、はみ出した1両だけドアを開けない「ドアカット」が行われるのです。知らずに乗っていると驚いてしまいますが、知っていると駅そのものを味わい深く感じられる豆知識です。
道路の上を走る併用軌道

腰越駅から隣の江の島駅までの区間は、江ノ電が一般道路の上をそのまま走る「併用軌道」と呼ばれる路面区間になっています。駅を出た電車は、車や自転車と同じ道を分け合いながら、商店街の中をゆっくり進んでいきます。路面電車と郊外電車、どちらの表情も持ち合わせているのが江ノ電の面白いところだと、この区間を歩いていて改めて感じました。
腰越駅近くの古民家
腰越は、江ノ電の駅ができるずっと前から、京と鎌倉を結ぶ古東海道の宿駅として栄えた町です。鎌倉時代の紀行文「海道記」にもその名が記されており、鎌倉の西の玄関口として多くの旅人が行き交っていました。同時に古くから漁業も盛んで、宿場町と漁師町、ふたつの顔を持ちながら発展してきた歴史があります。
駅前の通り沿いに残るこれらの古民家は、軒先を深く張り出した「出桁造り」と呼ばれる、江戸時代から続く商家(町家)の建築様式です。格子戸や、上げ下げして開閉する「摺上げ戸」を今に伝える建物もあり、時代とともに商いの中身を変えながらも、暮らしの中で使われ続けているのが腰越らしいところだと感じます。
軒を深く張り出した「出桁造り」の古民家が、駅から少し歩いた通り沿いに残っています。漁師町として栄えた腰越ならではの町並みです。
腰越海水浴場


腰越海水浴場から望む江の島。ライフセーバーのレスキューボードやビーチパラソルが並び、夏らしい空気に包まれていました。
腰越漁港



生しらすで知られる腰越漁港。停泊する漁船越しに江の島を望むこの景色は、腰越が漁師町であることを一番実感できる場所かもしれません。
満福寺
腰越駅から江ノ電の踏切を渡ってすぐ、源義経が「腰越状」を書いたことで知られる満福寺があります。石段の上を江ノ電が走り抜ける撮影スポットとしても人気です。

石段の真下を江ノ電が走り抜ける、腰越状ゆかりの満福寺を訪ねた記事です。
続きを読む ›小動神社
腰越漁港を見下ろす高台には小動神社が鎮座しています。展望台からは富士山が見えることもあり、境内には金刀比羅宮・稲荷社・海神社・第六天社など見どころの多い末社が点在しています。

展望台や境内社めぐりが楽しい、小動神社のフォト特集です。
続きを読む ›腰越駅前のシャッターアート(乃木坂46)

腰越駅のすぐそばで見つけたのが、この鮮やかなシャッターアート。実はこれ、アイドルグループ乃木坂46の36枚目シングル「チートデイ」のヒット祈願として制作されたもので、2024年8月26日放送のテレビ東京「乃木坂工事中」で、メンバーが炎天下の中、悪戦苦闘しながら描き上げた様子が紹介されていました。駅前の何気ない一角に、こんな形でファンの聖地が生まれているのも面白いところで、通りがかっただけの私も、思わず足を止めて写真を撮ってしまいました。
腰越駅の基本情報
| 駅名 | 腰越駅(江ノ島電鉄線・駅番号 EN07) |
| 開業 | 1903年(谷戸駅として開業)、1948年に腰越駅へ改称 |
| 特徴 | 4両編成停車時の「ドアカット」、江の島駅方面への併用軌道(路面区間) |
| 周辺の見どころ | 満福寺、小動神社、腰越海水浴場、腰越漁港 |
| 時刻表 | 腰越駅 時刻表 |
よくある質問
Q. なぜ、腰越駅ではドアが開かない車両があるのでしょうか?
A. 腰越駅のホームは3両分の長さしかないため、4両編成の電車が停車すると鎌倉寄りの1両がホームからはみ出し、踏切の上に止まってしまいます。そのため、はみ出した車両だけドアを開けない「ドアカット」が行われます。
Q. 腰越駅の読み方は?
A. 「こしごええき」と読みます。駅がある地名「腰越(こしごえ)」もあわせて覚えておくと便利です。
Q. 腰越駅周辺には何がありますか?
A. 源義経ゆかりの満福寺、展望台からの眺めが魅力の小動神社、腰越海水浴場、生しらすで知られる腰越漁港などが徒歩圏内に集まっています。
Q. 腰越はどんなところですか?
A. 江ノ電が道路を走る併用軌道や、海・漁港・古民家の残る町並みが同時に楽しめる、漁師町らしい雰囲気の残るエリアです。由緒ある神社仏閣も多く、散策のしがいがある場所です。
まとめ
電車が道路を走る珍しい光景、漁師町らしい古い町並み、そして海と山の両方が近い立地。腰越駅は、降りてから少し歩くだけで、鎌倉の色々な表情に出会える駅でした。満福寺や小動神社もあわせて、ぜひゆっくり歩いてみてほしいエリアです。
鎌倉・江の島エリアで実際に歩いて撮影した記事をテーマ別にまとめました。鶴岡八幡宮や長谷寺などの寺社めぐり、江ノ電の駅ごとの見どころ、乗車券や車両の楽しみ方、商店街・グルメまで、鎌倉さんぽの参考にしてください。
藤沢方面から鎌倉方面へ、江ノ電の駅番号順(EN06〜EN15)に並んでいます。



























