
中央道を走り、雪をかぶった南アルプスが正面に見えてきたとき、久しぶりに胸がざわっとした。桜を見るためだけに遠出することを、少し前の自分なら笑っていただろうが、今はそれが贅沢な時間だとわかる。目次(Table of Contents)
🏛 実相寺とは ― 日蓮宗の古刹と神代桜の深い縁
神代桜が佇むのは、1375年(永和元年)に創建された日蓮宗の寺院・実相寺(じっそうじ)の境内だ。境内に足を踏み入れると、静謐な空気がまとわりつく。歴史の重さとでもいうのか、都会では絶対に感じられない時間の流れがここにはある。
日蓮聖人が開いたこの地は、花の寺としても知られ、桜の季節には8万株ものラッパ水仙も咲き乱れる。薄紅の桜と足元の黄色い水仙、そして遠くに連なる南アルプスの雪景色。この組み合わせは、写真を撮る者としてたまらない被写体だった。 🌿 神代桜の由来 ― 日本武尊と日蓮聖人が紡いだ2000年の物語
神代桜の名の由来は、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東国遠征の折にこの地に立ち寄り、記念として手植えしたという伝説にある。「神代」とはまさに神話の時代を意味する。さらに鎌倉時代、日蓮聖人がこの木の衰えを憂い樹勢回復を祈願したところ再生したとも伝えられ、「妙法桜」とも呼ばれている。
2000年という時間の中に、英雄伝説と高僧の祈りが重なっている。そう思いながら幹を眺めると、ただの古木ではなく、歴史そのものに向き合っている感覚になった。
🌸 樹齢2000年の桜のだいご味 ― 大正時代に国の天然記念物第1号に
推定樹齢1800〜2000年、樹高10.3メートル、根元の幹周り約12メートル。数字だけ見ても想像がつかないが、実際に目の前に立つとその圧倒的な存在感に言葉を失う。台風や環境変化で何度も衰えながら、関係者の地道な樹勢回復工事によって今も毎春花を咲かせている。大正11年(1922年)に国指定天然記念物の第1号となったこの木は、昭和には「あと3年で枯れる」とまで言われた。それでも生き続けている姿は、力強いというより、静かで揺るぎない。40代の自分が感傷的になるのも無理はない、と思った。 🌸 園内の桜が結構ピンクで奇麗 ― 水仙とのコントラストも見逃せない
神代桜だけが目当てだったが、境内にはソメイヨシノ約30本をはじめ、三春滝桜・淡墨桜の子桜、身延山しだれ桜の子桜など名木たちの子孫が集まっている。想像以上にピンクが濃く、園内全体が華やかだ。そして足元には黄色のラッパ水仙が広がり、上を見ればピンクの桜、奥には白い南アルプス。これだけ絵になる場所もそうない。
カメラを持って訪れる価値は十分すぎるほどあった。また境内には宇宙ステーション「きぼう」で8か月半を過ごした種から育った「宇宙桜」も公開されており、こちらも見どころのひとつだ。 🌸 御朱印もゲットできる ― 桜シーズン限定デザインに注目
実相寺では御朱印をいただくことができる。御朱印ブームの昨今だが、ここの御朱印は神代桜の開花シーズン限定デザインもあるため、桜好きの方はぜひ忘れずに。拝観料(一般500円)を払って境内に入るが、その価値は十分ある。仕事や日常の雑事を頭から追い出して、こういう場所でゆっくり手を合わせる時間というのが、40代には妙に刺さる。御朱印帳を持っていくのをうっかり忘れた自分を、少し悔やんだ。実相寺のフォト特集
実相寺のおすすめスポットです。ピンクの花びら
実相寺はその周辺の桜は、とてもピンクが濃い花びらです。
実相寺の園内と桜
手水舎
実相寺の手水舎。シンプルでありながら重厚感があります。
実相寺のアセビ(馬酔木)
壺を逆さにしたような小さな白い花が鈴なりに咲くのが特徴です。 北杜市の桜
実相寺だけでなく、周囲もピンクに染まっています。境内だけでなく町全体で桜を楽しむことができます。 🌸 屋台も出ていてにぎやか ― お花見気分も味わえる
見頃の時期には周辺に屋台が並び、地元の食べ物や甘いものを楽しめる。神代桜の境内は花見宴会は禁止されているが、その分落ち着いた雰囲気で桜と向き合える。
屋台エリアは賑やかで、家族連れや観光客で活気にあふれていた。桜を眺めながら食べ歩きできるのは素直に楽しい。静と動、両方のバランスがちょうどいい場所だと思った。
🚗 駐車場と混雑について ― 朝か夕方がおすすめ
公共・民間あわせてかなりの台数を収容できる駐車場が整備されている(普通車500円)。ただし見頃のピーク時は相当混雑するので注意が必要だ。北杜市観光協会も渋滞に関する注意を呼びかけている。個人的なおすすめは朝早めか夕方の来訪。光が柔らかくなる時間帯は写真映えもよく、人の波が引いてから神代桜と静かに向き合える。せっかく来るなら、急がず、焦らず。それくらいの余裕を持って訪れたい場所だ。
📍 アクセス情報
| 名前 | 実相寺 |
|---|---|
| 公式サイト | https://www.jindaizakura.com/ |
| 場所 | 山梨県北杜市武川町山高2763(実相寺境内) |
| 駐車場 | 公共・民間あり/普通車500円(見頃時期は混雑) |
| 拝観料 | 一般500円・北杜市民300円・中学生以下無料 |
| 御朱印 | 実相寺にて受付(シーズン限定デザインあり) |
| おすすめ時間 | 朝早め・夕方(混雑回避+光が美しい) |
| 開花時期 | 例年3月下旬〜4月上旬(年によって変動あり) |
※ 開花時期・混雑・イベント情報は年によって異なります。訪問前に北杜市観光協会または実相寺の公式サイトで最新情報をご確認ください。
今回の撮影機種
私は、NikonのZ fcという、小型で初心者にも扱いやすく、価格も手ごろなミラーレスカメラを使用しています。
フィルムカメラ風のクラシックなデザインで、見た目もおしゃれで気に入っています。
かさばらないので、街歩きや鉄道旅など、旅行にぴったりの相棒です。
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