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北条五代とは――関東を100年にわたって治めた戦国大名
北条五代(後北条氏)とは、初代・北条早雲を祖に、氏綱・氏康・氏政・氏直の五代、約100年にわたって小田原城を拠点に関東一円を支配した戦国大名のことだ。鎌倉北条氏と区別するため「後北条氏」または「小田原北条氏」とも呼ばれる。
1495年頃、戦国の魁(さきがけ)ともいわれる初代早雲が伊豆韮山から小田原城を支配下に収め、二代氏綱が小田原城を本拠と定めた。三代氏康の時代には武田・今川との同盟を結んで勢力を拡大し、税制改革や伝馬制度を整えるなど内政にも手腕を発揮。小田原の城下町は政治・経済・文化の中心として関東随一の繁栄を誇った。
北条氏の印章「虎朱印」には「禄寿応穏(ろくじゅおうおん)」――財産と生命がまさに穏やかであるようにという言葉が刻まれており、民を豊かにすることを第一とした善政の姿勢が伝わる。しかし天正18年(1590年)、豊臣秀吉の大軍に包囲され約100日の籠城戦の末に開城。こうして五代百年の歴史に幕が下りた。
祭りはその北条氏の偉業を称え偲ぶ小田原市最大の観光イベントとして、1964年から続いている。2026年は記念すべき第62回目の開催だ。
出陣式 ― 早めに並ばないと入れない!
午前11時10分から小田原城銅門特設ステージで出陣式が行われた。しかし観覧スペースには限りがあり、早々に入場規制が敷かれる。当日は正午前にはすでに満員状態で、後から来た観客は入場できない状況だった。出陣式を見たい方は、開始の1時間以上前には現地に到着して並ぶことを強くおすすめする。

▲ 出陣式会場前には長蛇の列。満員になり次第入場規制がかかるため、早めの行動が鉄則だ。

▲ 入れなかった方は遠くからの観覧となる。それでもこの迫力。小田原城を背景に武者が整列する様子は壮観だった。
芸能人ゲストが大人気!柳沢慎吾さんが馬上で「いい夢見ろよ!」
毎年最大の注目ポイントがゲスト俳優たちの武者姿だ。2026年も前年に引き続き3名が出演した。
- 初代早雲役:
合田 雅吏 さん(小田原ふるさと大使) - 四代氏政役:
髙嶋 政伸 さん(NHK大河ドラマ「真田丸」に氏政役で出演) - 五代氏直役:
柳沢 慎吾 さん(小田原ふるさと大使)
柳沢 慎吾さん ― 地元小田原が生んだ人気者
なかでも圧倒的な人気を誇るのが、地元小田原の八百屋の息子・柳沢慎吾さんだ。鎧をまとい馬上から「いい夢見ろよ!」「あばよ!」と観客に呼びかけると、沿道は割れんばかりの笑顔と歓声に包まれた。地元愛と役者魂が凝縮された、北条五代祭りならではの名シーンだ。

▲ 鎧姿で馬にまたがる柳沢慎吾さん。観衆との距離が近く、声かけに沿道が大盛り上がりだった。

▲ 「いい夢見ろよ!」馬上からの笑顔とひと言で、会場全体が一体となった瞬間。

▲ 大歓声に応える柳沢慎吾さん。地元・小田原への愛情が伝わる温かいパフォーマンスだった。
髙嶋 政伸さん ― 大河ドラマ「真田丸」でも氏政を演じた俳優

▲ 四代氏政役の髙嶋政伸さん。NHK大河ドラマ「真田丸」で同役を演じた経験もあり、貫禄の武者姿を披露。

▲ 観客に向けて笑顔で手を振る髙嶋政伸さん。甲冑姿がよく似合う。
合田 雅吏 さん(小田原ふるさと大使)


圧巻のパレード ― 1600名が城下を練り歩く
出陣式を終えた正午過ぎ、いよいよパレードがスタートした。忍者・風魔小太郎隊や手作り甲冑隊を先駆けに、初代早雲から五代氏直までを模した武者隊が銅門を出発。続いて音楽隊、小田原ばやし、神輿を担いだまち衆隊が合流し、交通規制が敷かれた市街地を反時計回りに練り歩く。総勢1600名という規模は、まさに圧巻の一言だ。
小田原城前(城址公園周辺)は特に混雑するため、筆者は小田原三の丸ホールの2〜3階から観覧した。城とパレードを同時に見渡せる絶好のポジションで、雨天時にも重宝するおすすめ穴場スポットだ。

▲ 三の丸ホールからのパレードと小田原城の眺め。城とパレードを一枚に収められる絶景ポイントだ。

▲ パレードの行列が城下を埋め尽くす。青空に映える小田原城との組み合わせが美しい。

▲ 祭りを静かに見守る小田原城。五代百年の歴史を刻んできた城郭の貫禄が漂う。
北條鉄砲隊の発砲パフォーマンス

▲ 北條鉄砲隊による発砲演技。轟音とともに白煙が上がり、会場が一気に戦国時代へとタイムスリップする。
芸者さんの艶やかな行列

▲ 人力車に乗った芸者さんが艶やかに登場。武者行列の中に添えられる華やかなアクセントだ。

▲ 着物姿で練り歩く芸者さん。色鮮やかな衣装が日差しに映え、カメラを向ける観客が絶えなかった。

▲ 観客との距離も近く、間近で見られるのも北条五代祭りの醍醐味のひとつ。
当時の衣装でパレード





日本刀の立ち回りパフォーマンス
▲ 黒装束の演者による日本刀の立ち回りパフォーマンス。本格的な所作に息をのむ。
▲ 迫力ある演武シーン。沿道の観客から大きな歓声が上がった。
マルシェで食べ歩きも楽しい!
学橋周辺を渡り、マルシェへ
▲学橋を多くの人が渡っている。
▲ 賑わう学橋。赤い欄干と小田原城の屋根を眺める。
祭り当日は沿道に多くの出店が所狭しと軒を連ね、食べ歩きが楽しめる。たこ焼き、焼きそば、唐揚げなど定番グルメから、ご当地の小田原かまぼこまで、食欲をそそる香りが漂っていた。
▲ 出店が並ぶ通りは終日大賑わい。食べ歩きも祭りの醍醐味のひとつ。

▲やっぱり地ビール。箱根ビールを飲もう!!

▲お面の出店などもある。
松原神社例大祭の御神輿も小田原城前を渡御する

北条五代祭りと同時に、松原神社例大祭が行われる。3日間行われる初日。

迫力のある松原神社例大祭もおすすめです。

| 松原神社例大祭2026・写真で伝える神輿の迫力と熱気 |
アクセス ― 小田原駅は5路線が乗り入れるハブ駅

祭り当日は市内全域に大規模な交通規制が敷かれ、駐車場も満車となるため、車でのアクセスおすすめしない。ぜひ公共交通機関を利用しよう。
小田原駅はJR東海道本線・JR東海道新幹線・小田急線・伊豆箱根鉄道・箱根登山鉄道の5路線が乗り入れるアクセス抜群のハブ駅だ。東京・横浜・名古屋・大阪方面いずれからも乗り換えなしで来られる。小田原駅から小田原城址公園まで徒歩約10分。
| 出発地 | アクセス |
|---|---|
| 東京(品川) | JR東海道線で約55分 / 新幹線こだまで約35分 |
| 横浜 | JR東海道線で約35分 / 小田急線で約50分 |
| 新宿 | 小田急ロマンスカーで約75分 |
なお当日は観光回遊バス「うめまる号」は運行しないのでご注意を。
まとめ ― 小田原の歴史と人情が詰まった祭り

第62回 小田原北條五代祭り。五代百年の歴史を誇る後北条氏の遺志を受け継ぐこの祭りは、歴史・文化・芸能・食・人情が一堂に会する小田原市最大のイベントだ。
武者行列の迫力、柳沢慎吾さんの馬上パフォーマンスの温かさ、神輿の重厚感。どれをとっても「来てよかった」と心から思える体験だった。毎年5月3日に開催されるので、次のゴールデンウィークはぜひ小田原へ!
【基本情報】
名称:第62回 小田原北條五代祭り
開催日:毎年5月3日(祝)※小雨決行・荒天中止
出陣式:11:10〜(銅門特設ステージ)
パレード:12:20〜14:00頃
会場:小田原城址公園およびその周辺
入場料:無料
主催:(一社)小田原市観光協会
問い合わせ:0465-20-4192
公式サイト:リトルトリップ小田原(小田原市観光協会)
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