
鎌倉でも屈指の規模を誇る古刹、長谷寺。通称「長谷観音」の名で親しまれ、正式には海光山慈照院長谷寺と号します。山門をくぐってから見晴台に上るまで、境内はゆうに1時間以上歩き回れるほどの広さで、観音様、地蔵尊、庭園、そして海の眺望と、見どころを挙げればきりがありません。今回はその境内をひと通り巡ってきた様子を、写真とともに紹介します。
山門をくぐって

見事な枝ぶりの松に、大きく揺れる「長谷寺」の赤提灯。
長谷駅から歩いてくると、見事な枝ぶりの松と、大きな赤い提灯が見えてきます。ここが長谷寺の山門です。提灯には大きく「長谷寺」の文字。この一枚をくぐった瞬間から、境内散策の始まりです。
良縁地蔵と千体地蔵をめぐる
山門の横から園内に入ると、大きな庭園が現れます。鯉が泳ぐ池のまわりに四季の花木が植えられ、季節ごとに違った表情を見せてくれるのが長谷寺の魅力のひとつ。四季を通じて花が絶えないことから、「鎌倉の西方極楽浄土」とも呼ばれているそうです。
良縁地蔵

寄り添うように立つ3体の地蔵が、穏やかな笑顔で迎えてくれる。
境内を歩いていると出会えるのが、寄り添うように並ぶ3体のお地蔵さま「良縁地蔵」です。実はこの良縁地蔵、境内に3カ所あるのだそうで、参拝しながら残りの2カ所を探してみるのも楽しそうです。
地蔵堂と千体地蔵

下境内から階段を上った先にあるのが地蔵堂です。堂内には子孫繁栄のご利益を授けるという「福徳地蔵」が安置されています。そして地蔵堂を囲むように並ぶのが、水子やご先祖のご供養のために建てられた地蔵さまたちです。


花に囲まれて並ぶ、千体地蔵と呼ばれる小さなお地蔵さまたち。
卍池

地蔵堂の近く、緑に囲まれた一角にひっそりとあるのが「卍池」です。苔むした石組みと小さな石仏に囲まれて、境内の喧騒から少し離れた静けさを感じられる場所でした。
水かけ地蔵

柄杓の水を受け、しっとりと濡れる水かけ地蔵。
参拝者が柄杓で水をかけて祈願するのが「水かけ地蔵」です。地蔵菩薩は、お釈迦様が入滅されてから弥勒菩薩が現れるまでの長い間、人々を救ってくださる仏さまと伝えられています。水をかけながら手を合わせる参拝者の姿を見ていると、こちらまで自然と手を合わせたくなりました。
観音堂で十一面観音に手を合わせる

長谷寺の本尊は十一面観世音菩薩立像。像高9.18mという、木彫仏としては日本最大級の大きさを誇ります。伝承によれば養老5年(721)、徳道上人が大和国(奈良)の山中で見つけた一本の楠の大木から二体の十一面観音像を彫り出し、一体を奈良の長谷寺の本尊に、もう一体を祈りとともに海に流したのだそうです。その像が15年の時を経て三浦半島に流れ着き、鎌倉に安置されたのが当寺の始まりと伝わります。奈良と鎌倉、離れた二つの長谷寺が同じ名を持つのには、こんな壮大な物語があったのですね。観音堂の中は撮影禁止のため写真はありませんが、実際に間近で見上げるお姿は圧巻の一言でした。
御朱印をいただく

いただいた御朱印には「十一面大悲殿」の墨書と、坂東三十三観音・海光山・長谷寺の朱印が。御朱印は観音堂内の朱印所でいただけます。
祈願散華に願いを込めて


花びらの形をした紙に願いを書いて結ぶ「祈願散華」。
境内の一角には、花びらの形をした紙に願い事を書いて結ぶ「祈願散華(きがんさんげ)」のコーナーがありました。色とりどりの散華がびっしりと結ばれている様子は、それだけでも見応えがあります。
見晴台から鎌倉の街と海を望む

眼下には長谷の街並みと、その先に由比ヶ浜の海を一望できます。晴れた日には三浦半島や伊豆大島まで見渡せる、鎌倉でも指折りの絶景スポットなのだそうですが、残念ながら訪れた日は曇り空。それでも十分に開放感のある眺めでした。
観音ミュージアムで寺宝にふれる

観音堂に隣接する観音ミュージアムは、2015年に旧宝物館を改修してオープンした施設です。文永元年(1264)銘の梵鐘(重要文化財)や、東日本最古と言われる大黒天像(応永19年/1412年)、弘法大師作と伝わる弁財天像など、長谷寺に伝わる貴重な寺宝の数々をじっくりと鑑賞できます。拝観料とは別に入館料(大人500円・小人200円)が必要な有料施設ですが、その分混雑も緩和されているので、時間がある方はぜひ立ち寄ってみてください。2019年8月からは、フラッシュや他の参拝者の迷惑にならない範囲で館内の撮影も可能になりました。

観音様が姿を変えて現れるという「三十三応現身像」が並ぶ。
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| 木造 勢至菩薩坐像 | 菩薩坐像 |
長谷寺の基本情報
| 正式名称 | 海光山慈照院長谷寺(通称:長谷観音) |
| 宗派 | 浄土宗系単立 |
| 御本尊 | 十一面観世音菩薩立像(像高9.18m・木彫仏として日本最大級) |
| 創建 | 天平8年(736)と伝わる(開山:徳道上人) |
| 拝観時間 | おおむね8:00〜16:30、季節により延長あり ※情報源により表記に幅があるため、最新情報は来訪前にご確認ください |
| 拝観料 | 大人400円/小学生200円 |
| 観音ミュージアム | 9:00〜16:30(拝観料とは別に入館料が必要/大人500円・小人200円) |
| 駐車場 | 参拝者専用あり(普通車30台・バス4台/普通車30分300円) ※紫陽花シーズン・土日祝は満車になりやすい |
| アクセス | 江ノ電・長谷駅から徒歩5分 |
| 公式サイト | 鎌倉 長谷寺 |
よくある質問
Q. 長谷寺の見どころはどこですか?
A. 日本最大級の十一面観音を祀る観音堂をはじめ、良縁地蔵や千体地蔵が並ぶ地蔵堂周辺、由比ヶ浜を望む見晴台、観音ミュージアムなど見どころが多く、境内をひと通り巡るには1時間以上かかります。
Q. 長谷寺は何で有名ですか?
A. 日本最大級の木彫仏である十一面観世音菩薩像や、眺望散策路に咲く40種類・約2500株の紫陽花、由比ヶ浜を一望できる見晴台などで知られています。四季を通じて花が絶えないことから「鎌倉の西方極楽浄土」とも呼ばれています。
Q. 奈良にも長谷寺がありますが、関係があるのですか?
A. 伝承によれば、奈良の長谷寺と鎌倉の長谷寺の本尊は、もともと同じ一本の楠から彫られた二体の観音像とされています。一体が奈良の本尊に、もう一体が海を渡って鎌倉に流れ着いたと伝わっています。
Q. 日本三大長谷寺は?
A. 奈良の長谷寺と鎌倉の長谷寺は、前述の二体の観音像の伝承からセットで語られることが多いお寺です。ただし「三大長谷寺」の3つ目については、茨城県古河市や秋田県由利本荘市、長野県長野市などが挙げられることが多く、地域によって諸説あり、統一された定説はないようです。
Q. 長谷寺にはどんなご利益がありますか?
A. 本尊の十一面観世音菩薩は、除病・延命など現世でのさまざまな利益を叶えるとされる観音様です。境内に点在する「良縁地蔵」にちなんで、良縁祈願のお寺としても親しまれています。
Q. 長谷寺を作った人は誰ですか?
A. 寺伝によれば、開山は奈良の長谷寺と同じ徳道上人。天平8年(736)、藤原鎌足の孫にあたる藤原房前が、海から流れ着いた観音像を祀るために創建したと伝わります。
Q. 観音堂の中は撮影できますか?
A. 本尊の十一面観音が安置されている観音堂の中は、現在も撮影禁止となっています。
Q. 観音ミュージアムは撮影禁止ですか?
A. 2019年8月23日から、フラッシュ撮影や他の参拝者の迷惑になる行為を避ければ、館内の撮影が可能になりました。ただし企画展の内容によっては一部エリアが撮影禁止になることもあるため、訪れた際は受付や公式サイトで確認するのがおすすめです。
Q. お土産はどこで買えますか?

A. 山門前の「なごみショップ」では、笑顔が印象的な「和み地蔵」をモチーフにしたサブレーや手ぬぐい、朱印帳などのオリジナルグッズが揃っています。
Q. 駐車場はありますか?
A. 参拝者専用の駐車場があり(普通車30台・バス4台、普通車30分300円)、拝観時間内のみ利用できます。ただし紫陽花が見頃を迎える6月や土日祝日は満車になりやすいため、公共交通機関の利用もおすすめです。
Q. 長谷駅からのアクセス方法は?

A. 江ノ電・長谷駅から徒歩約5分です。参道沿いにはお店も並んでいるので、参拝の前後にのぞいてみるのもおすすめです。
まとめ

日本最大級の十一面観音、境内を彩る地蔵尊たち、そして由比ヶ浜を見晴らす絶景まで、長谷寺は歩けば歩くほど新しい発見がある古刹でした。奈良の長谷寺との意外なつながりを知ってから訪れると、また違った感慨があるかもしれません。長谷寺から歩いて5分ほどの高徳院(鎌倉大仏)や、江ノ電・長谷駅周辺のお店もあわせて巡れば、半日でも十分に楽しめるコースになります。鎌倉散策の際は、時間に余裕を持って訪れてみてください。

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藤沢方面から鎌倉方面へ、江ノ電の駅番号順(EN06〜EN15)に並んでいます。





























