
江ノ電の車窓から見えるカーブと、ふいに現れる緑のトンネル。極楽寺駅で電車を降りると、山あいに包まれた小さなホームが迎えてくれます。鎌倉の観光地らしい賑わいとは違う、どこかひっそりとした空気が漂う駅です。
1904年(明治37年)開業のこの駅は、江ノ電の中でも歴史ある一駅。木造の駅舎は1999年に「関東の駅百選」に選ばれ、2019年のリニューアル後は新しい駅舎の隣でモニュメントとして大切に保存されています。「海街diary」をはじめ、数々の映画・ドラマ・漫画の舞台にもなってきました。
山あいに包まれた、涼しいホーム
極楽寺駅のホームは、周囲を山に囲まれた少し低い位置にあります。実際に立ってみると、夏でも風が抜けて涼しさを感じられるのが印象的でした。江ノ電沿線でも屈指の緑深いロケーションで、蝉の声を聞きながら電車を待つ時間そのものが、ちょっとした避暑になります。

藤沢方面からやってきた紺色の観光列車がホームに滑り込んできました。山の斜面と赤い屋根の民家を背景に走る姿は、いかにも江ノ電らしい情景です。

ホームのすぐ脇には大きな木と小さな川が流れています。コンクリートの下を静かに水が流れる音が、駅の涼しさをさらに引き立てていました。

改札を出るとすぐに続く通路。奥に見える出口の先には、木造の駅舎とやわらかな光が広がっていました。

ホームに立つ木製の駅名標。隣は「はせ」「いなむらがさき」。緑に囲まれた小さな看板が、この駅ならではの落ち着いた雰囲気を伝えています。
桜の木陰をつくる、昔ながらの駅舎

緑地の駅名標「極楽寺駅 GOKURAKUJI STA.」を掲げた木造の駅舎は、まさに昔ながらの佇まい。頭上を覆う桜の木が、涼しげな木陰をつくっていました。訪れたのは7月下旬でしたが、これがもし桜の咲く時期だったらと想像すると、もう一度足を運びたくなります。もちろん、紫陽花が咲き誇る6月の梅雨時にも、また違った表情を見せてくれるはずです。
極楽寺駅周辺フォト特集
おそば 手繰
極楽寺駅の目の前にあるお蕎麦屋さん。店主の岡田さんは地元の名店「鎌倉 松原庵 青」で修業した実力派で、カフェのようにおしゃれな空間で手繰りたての蕎麦がいただけます。看板メニューは、通常の倍近い期間をかけて育てた茨城県産の平飼い鴨を使う鴨せいろ。江ノ電の音を聞きながら過ごす、贅沢なひと時になりそうです。

| 住所 | 鎌倉市極楽寺1-3-1 |
| TEL | 0467-26-2640 |
| 定休日 | 水曜・木曜 |
| 予算 | 1,000円〜2,999円 |
極楽寺プラットホームに付く江ノ電

木々に覆われた区間をゆっくり近づいてくる藤沢行きの車両。ホームの屋根と緑のトンネルが重なる、極楽寺らしい一枚です。
導地蔵尊
一見すると民家のような佇まいですが、実は鎌倉二十四地蔵霊場 第20番札所という由緒あるお堂です。1267年(文永4年)、極楽寺の忍性が運慶作と伝わる地蔵尊を安置したのが始まりとされ、子育てにご利益があるといわれています。縁側に腰掛けてひと休みできる、地元に溶け込んだ雰囲気も魅力でした。

ペリカン茶屋
2025年9月にグランドオープンした、関西うどん・たこ焼きのお店。看板メニューは大阪名物のかすうどんで、開店は11:30から。15時頃からはたこ焼きも焼き始めるそうです。二階の窓辺に吊るされた風鈴が、夏の日差しの中で涼しげな音を立てていました。

昔ながらの木造二階建てに、青い日よけ幕が目印。「かすうどん」「たこ焼き」の文字に思わず足が止まります。

2階のベランダに吊るされた提灯と風鈴。開け放たれた窓から、夏らしい涼やかな音が聞こえてきそうな気配でした。

「冷やしうどんはじめました」の貼り紙を見つけて、夏には冷やしうどんを食べたくなりました。

軒先で揺れる風鈴。チリンという音が、真夏の暑さをひととき忘れさせてくれました。
| アクセス | 極楽寺駅から徒歩1分 |
| 営業時間 | 11:30〜(ランチはうどんのみ、たこ焼きは15時頃から) |
| オープン | 2025年9月 |
| 公式Instagram | @pelican_gokurakuji |
ギャラリーGOKURAKU亭
極楽寺の山門のすぐそばに建つ、入場無料のレンタルギャラリー。さまざまな作家の作品を自由に鑑賞でき、コーヒーを飲みながらアンティークを眺めることもできます。アロハシャツが飾られたショーウィンドウが、どこか南国のリゾートを思わせる佇まいでした。

| 住所 | 鎌倉市極楽寺3-6-8 |
| TEL | 0467-22-5917 |
| アクセス | 極楽寺駅から徒歩1〜2分 |
| 入場料 | 無料 |
極楽寺駅の基本情報
| 駅名 | 極楽寺駅(江ノ島電鉄線・駅番号 EN11) |
| 開業 | 1904年(明治37年) |
| 駅舎 | 旧駅舎は「関東の駅百選」選定(1999年)。2019年に新駅舎が供用開始、旧駅舎はモニュメントとして保存 |
| 周辺の見どころ | 極楽寺、極楽寺坂切通し、成就院 |
| 極楽寺までのアクセス | 改札を出て徒歩2分 |
| 時刻表 | 極楽寺駅 時刻表(約15分間隔で運行) |
よくある質問
Q. 極楽寺駅はどんな駅ですか?
A. 1904年開業の江ノ電の駅で、1999年に「関東の駅百選」に選ばれた木造駅舎が特徴です。2019年のリニューアルで新駅舎が供用開始され、味わいある旧駅舎は現在モニュメントとして保存されています。海街diaryなど映画・ドラマ・漫画の舞台としても知られています。
Q. 極楽寺駅から極楽寺までどのくらいですか?
A. 改札を出て徒歩2分ほどです。線路沿いをゆっくり歩くと、茅葺きの山門が見えてきます。
Q. 桜や紫陽花の季節に訪れるのがおすすめですか?
A. はい。駅の桜が咲く春と、極楽寺の参道が紫陽花で彩られる6月は特におすすめです。夏でも山あいで涼しく過ごせますが、季節の花とあわせて訪れるとより印象的な一枚が撮れます。
Q. 極楽寺駅の周辺にはどんなお店がありますか?
A. 駅前には手打ち蕎麦の「おそば 手繰」、大阪名物のかすうどん・たこ焼きが人気の「ペリカン茶屋」、入場無料のギャラリー「GOKURAKU亭」などが徒歩数分の範囲に集まっています。電車を待つ合間に立ち寄るのもおすすめです。
まとめ
観光地としての派手さはないけれど、山に囲まれた涼しい空気と、桜の木陰に佇む木造駅舎が印象に残る極楽寺駅。江ノ電に揺られてこの駅で降りたら、そのまま徒歩2分の極楽寺まで、ゆっくり歩いてみてほしいと思います。

駅から徒歩2分。緑深い参道と御朱印が魅力の極楽寺を訪ねた記事です。
続きを読む ›鎌倉・江の島エリアで実際に歩いて撮影した記事をテーマ別にまとめました。鶴岡八幡宮や長谷寺などの寺社めぐり、江ノ電の駅ごとの見どころ、乗車券や車両の楽しみ方、商店街・グルメまで、鎌倉さんぽの参考にしてください。 藤沢方面から鎌倉方面へ、江ノ電の駅番号順(EN06〜EN15)に並んでいます。



























