
江ノ電沿線には、懐かしさと絶景が交差する、まさに“撮り鉄”にも“旅好き”にもたまらない撮影スポットが点在しています。
なかでも鎌倉高校前駅から稲村ヶ崎駅までの区間は、アニメの聖地や、海と江ノ電を一緒に収められる名所が集まる人気エリア。
この記事では、定番から穴場までの江ノ電撮影スポットを、実際に歩いて巡りながらご紹介。
海、坂道、カーブ、すれ違い…ローカル線ならではの魅力を、写真とともに味わい尽くすカメラ旅に出かけてみませんか?
目次(Table of Contents)
江ノ電撮影の魅力とは?
ノスタルジックな街並みに溶け込むローカル電車
江ノ電(江ノ島電鉄)は、全長わずか10kmほどのローカル線ながら、街中を縫うように走るその姿は、どこか懐かしく、旅心をくすぐります。住宅街の路地をすり抜けたり、古民家の軒先をかすめるように走る姿は、まるで映画やアニメのワンシーン。レトロな車両と街並みのコントラストが、他では撮れない写真を生み出してくれます。
江ノ島電鉄に乗ってみよう|アクセスと路線の基本情報
江ノ電の始発駅は藤沢駅、終点は鎌倉駅。JRからの乗り換えも便利で、東京や横浜からの日帰り旅にもぴったりです。途中駅は15駅あり、どこも個性的。撮影旅では1日乗車券「のりおりくん」を使えば、気になる駅で自由に下車して撮影を楽しめます。
日中は1時間に4~5本運行しています。まずは気軽に乗ってみることから、江ノ電旅は始まります。
鎌倉高校前駅〜稲村ヶ崎駅|おすすめ撮影&散策ルート
江ノ電の藤沢駅または鎌倉駅から「鎌倉高校前駅」で下車し、そこから稲村ヶ崎駅を通って七里ヶ浜駅まで海沿いを散策するコースは、撮影好きにはたまらないルートです。江の島、富士山、相模湾を眺めながら、のんびり歩きつつ、道中の撮影スポットで写真を撮るのがおすすめです。
距離はおよそ2kmで、歩くだけなら30分程度ですが、撮影を楽しみながら回るなら1.5〜2時間は見ておくとよいでしょう。
特に鎌倉高校前駅周辺は、アニメの聖地や江ノ電の絶景撮影ポイントとして有名なため、日中は非常に混雑します。可能であれば午前中の早い時間帯に訪れるのがおすすめです。
それでは、このルートにある撮影スポットを順番にご紹介していきます!
鎌倉高校前駅|江の島を望む絶景ホーム
鎌倉高校前で電車を降りると、目の前に広がるのは相模湾と江の島。その景色を見た瞬間、思わず「ああ、来たんだな…」と実感がこみ上げてきます。旅の始まりにふさわしい、心に残る光景です。
駅のホームには木造の屋根やベンチが残り、どこか懐かしくてレトロな雰囲気。観光客で賑わうスポットでありながら、どこか穏やかで静かな時間が流れています。
晴れた日にはホームに差し込む陽の光が美しく、江ノ電を待つその時間さえ絵になる瞬間です。
江の島を横目に見ながら通学する高校生たち。
鎌倉高校前駅|1号踏切「スラムダンク」の聖地巡礼
鎌倉高校前駅からすぐの1号踏切は、江ノ電撮影の中でも特に有名なスポット。目の前には一面に広がる海、そしてその上を横切る江ノ電の姿は、まるで映画やアニメのワンシーンのよう。特に『スラムダンク』のオープニングに登場したことで、世界中のファンが訪れる“聖地”となっています。
踏切前に立てば、シャッターを切る手が止まらなくなる絶景が広がります。車両と海のタイミングを狙ったり、人のいない瞬間を狙うのも楽しいですが、近年は非常に人気のため混雑時のマナーには十分な注意が必要です。通行の妨げにならないよう、撮影時は周囲への配慮を忘れずに。
また、花壇や柵の上に乗るなどの危険な行動は絶対に避けましょう。みんなが気持ちよく訪れられるよう、マナーを守って楽しむことがこの絶景を守る第一歩です。
場所をチェック:
鎌倉高校前駅|2号踏切で江ノ電と海を撮る
鎌倉高校前駅から七里ヶ浜方面へ少し歩いた場所にある「2号踏切」は、海と電車を同時に撮れる絶好の撮影スポット。目の前には青い相模湾が広がり、タイミングが合えば江ノ電と江の島を一枚に収めた構図が撮れます。
特にレトロな青色の車両が海を背景に走る姿は絵になり、ドラマやCMのような雰囲気を演出できます。観光客が多い駅前の踏切よりも落ち着いて撮影できるため、ゆっくりと構図を決めたい方におすすめのポイントです。
鎌倉高校前駅|2号踏切すれ違いポイント(行き違い設備あり)
鎌倉高校前駅〜七里ヶ浜駅間の2号踏切近くには、単線区間で唯一の「行き違い設備(列車交換設備)」が設けられており、上下線の電車がちょうどここですれ違います。この瞬間を撮影するのは、江ノ電ファンや鉄道好きにとっての“隠れたハイライト”。
写真のように、レトロな青い車両とグリーンの車両が鼻先を揃える瞬間はなかなかお目にかかれず、撮れたらラッキー。時間帯によっては順光で美しい光が差し込み、カーブを描く線路とともに構図も抜群です。撮影は通行や私有地に配慮し、安全な場所から行いましょう。
七里ヶ浜駅|路地裏の細道と並走シーン
江ノ電の魅力のひとつが、民家や道路のすぐそばを走るローカル感たっぷりの風景。このあたりでは、
線路と道路がほぼ並走しており、電車と車や歩行者が同じ空間に存在する独特の風景が広がります。
住宅地の間を縫うように走る電車を目にすると、まるで昭和の映画のワンシーンに迷い込んだような気分に。車両がすぐ目の前を通る距離感は、江ノ電ならではの撮影ポイントです。
日常の中を走る電車を、ほんの少し視点を変えて切り取ってみてください。静かな街並みに響く電車の音が、旅情を誘います。
七里ヶ浜駅|住宅地を走る緩やかなカーブの美
七里ヶ浜駅は、住宅地の中にひっそりと佇む江ノ電の小さな駅。緩やかなカーブに沿って列車が進入する光景は、まるで絵本の一場面のような趣があります。駅のホームからは、すぐ目の前を走る電車を間近に感じられ、江ノ電ファンにはたまらないポイント。
駅周辺にはおしゃれなカフェや海沿いの散歩道もあり、観光と地元の生活が交差するリアルな湘南の空気を感じられるのも魅力。電車とホームの近さ、電柱や住宅が密集する風景も含めて、生活に根付いたローカル感あふれる写真が撮れます。
単線のプラットフォーム
七里ヶ浜駅|行合橋から見る江ノ電と海のコラボ
七里ヶ浜駅から徒歩すぐの場所にある「行合橋(ゆきあいばし)」は、江ノ電が鉄橋を渡る姿を間近で撮影できる絶好のスポット。橋の下を流れる川と、その向こうに広がる海がひとつのフレームに収まる構図は、まさにフォトジェニック。橋を渡る江ノ電の姿と海を一緒に写すこともできます。
「行合橋」という名前には、かつてこの場所が人と人とが行き合う待ち合わせの場だったという言い伝えがあり、どこかロマンチックな響きも感じられます。夕暮れ時や朝の光の中で撮ると、また違った表情を見せてくれるのも魅力。
江ノ電ファンはもちろん、ローカルな風景を残したい人にもぴったりの撮影地です。
七里ヶ浜駅|行合橋(ゆきあいばし)から眺める国道134号線と海
行合橋から、七里ヶ浜駅を出発した江ノ電
七里ヶ浜海岸と江ノ電が見える坂道
江ノ電・七里ヶ浜駅から海岸沿いを歩いて約5分。七里ヶ浜高校の前を通り、坂を少し上がったところにあるのがこのビュースポットです。
坂の途中からは、「七高正門前」バス停の標識、踏切、江ノ電、そして七里ヶ浜の海が一枚の写真に収まる絶好の構図が広がります。バス停の丸い標識がアクセントになり、奥行きとストーリーを感じさせる一枚が撮れるのが魅力。
坂道と鉄道と海——そんな鎌倉らしい風景を、ぜひあなたのカメラに収めてみてください。
稲村ヶ崎駅までの線路脇を歩く
江ノ電の絶景撮影スポットとして知られています。ゆるやかなカーブを描く線路の先に、江の島が堂々と構える風景は、思わずシャッターを切りたくなる光景です。
さらに天気が良ければ、その奥に富士山が姿を現すこともあり、まさに奇跡の1枚が狙えるポイント。夕方の光に染まる空と海、そこを走る江ノ電のシルエットが合わさると、旅の一枚がドラマチックに仕上がります。
稲村ヶ崎駅|レトロな駅舎と江ノ電の行き違い
江ノ電・稲村ヶ崎駅は、昔ながらの雰囲気を残す改札口と、どこか懐かしい空気感が漂う駅。構内は1本の島式ホームになっていて、コンパクトながら味わい深いローカル駅の魅力が詰まっています。
この駅の見どころは、単線ゆえの「行き違い」が見られる貴重なスポットであること。反対方向からやってくる江ノ電がホームに到着し、2編成が並ぶ瞬間は、鉄道ファンはもちろん、旅人にとっても嬉しいシャッターチャンスです。
レトロな駅と2台の江ノ電が織りなす風景は、「これぞ江ノ電の旅」という気分にさせてくれます。
よくある質問(FAQ)
午前中〜昼過ぎが逆光になりにくく、海や江ノ電の色がきれいに写りやすい時間帯です。夕暮れのシルエットも人気です。
鎌倉高校前駅や踏切周辺は平日でも観光客が多いことがあります。穴場スポットは比較的空いているので、記事内で紹介した場所も参考にしてください。
私有地に立ち入らないこと、通行人や地元の方の邪魔にならないよう配慮することが大切です。踏切や道路での長時間撮影は避けましょう。
はい、「のりおりくん」という江ノ電乗り放題の1日フリーパスがあります。撮影スポットを複数回る際に便利で、お得に利用できます。また各お店や神社で割引を受ける事もできます。
(おとな) 800円
(こども) 400円
※2025年5月現在の料金
雨の日は人が少なく、濡れた線路や車両、しっとりとした街並みが情緒ある写真を生み出します。レインカバーなどの準備をして出かけましょう。
私は、NikonのZ fcという、小型で初心者にも扱いやすく、価格も手ごろなミラーレスカメラを使用しています。 フィルムカメラ風のクラシックなデザインで、見た目もおしゃれで気に入っています。 かさばらないので、街歩きや鉄道旅など、旅行にぴったりの相棒です。
まとめ|歩いて巡る江ノ電カメラ旅の魅力
江ノ電沿線には、ノスタルジックな風景と海の絶景が共存し、まるで映画やアニメのワンシーンの中を歩いているような気分にさせてくれます。
特に鎌倉高校前駅から稲村ヶ崎駅までの区間は、アニメの聖地巡礼、海を背景にした江ノ電撮影、行き違いシーンなど、見どころが凝縮された最高のカメラ旅ルート。
カメラ片手にぶらりと歩くだけで、心が洗われるような風景に何度も出会えるのが江ノ電の魅力です。
ぜひ、晴れた日を狙って、自分だけの“とっておきの一枚”を撮りに出かけてみてください。